【バーチャルリアリティ学】 1.3 VRの歴史
はじめに
本ブログはバーチャルリアリティ学の内容を簡単にまとめたものです。学んだ内容の再確認的な感じの内容になっています。
1.3 VRの歴史
約1万8000年前:ラスコー洞窟の壁画。
- 馬や羊、牛などのあざやかな色彩画が壁一面に描かれており、祭祀用の儀式などが行われる空間として使われていたと考えられている。
⇒一種のバーチャル世界へ導く役割を果たしていたと考えられる。
18~19世紀:全天周絵画のパノラマ。(ヨーロッパで生まれた)
- イギリスの画家Robert Barkerによってはじめられた手法。
- 360°の全周の絵画を大型のキャンパスに描き、鑑賞者はシアター中央の展望台から周囲に円筒状に置かれた絵画を見る。
- 暗闇の通路を通って展望台まで案内(鑑賞者を現実から切り離すため)
- 絵画の前に前景として人口のオブジェクトを配置
- 現実の寺院を模した展望台を構築
- ロール式の絵を巻き取りながら動かすことで、絵画を用いながら動画を表現する「ムービングパノラマ」
1960年代:VR黎明期
コンピュータグラフィックス
1968年:I.Sutherland、HMDを開発
- 最初のHMD「Ultimate Display」:光学式シースルーシステム
- 頭の回転を計測(左を向けば左側にある映像、右を向けば右にある映像を見ることができる)できるインタラクティブなディスプレイ装置
- 線画によって描かれた単純なCG
インタラクティブアート
1969年:M.Krueger 「METAPLAY」
- 鑑賞者の姿を撮影し、作品の映像に合成反映させることにより、映像が鑑賞者に反応して動く
体感型ゲーム
1963年:M.Heilig 「SEN-SORAMA」
- 街中をバイクに乗って走り回る体験型ゲーム
- 状況の変化に応じて音響や椅子の振動、ファンによる顔への風の提示、風景に合わせた匂いの提示が可能
1980年代:バーチャルリアリティ発展期
航空宇宙分野
1982年:米国空軍のT.Furnessらによって「VCASS」が開発
- ヘルメット型のHMD
- 戦闘機用のスーパーコックピットの開発が行われた
ヒューマンインターフェース
1981年:MITのMedia Lab 「Media Room」
- 部屋全体をコンピュータ端末として利用
- 壁面スクリーンに表示された情報を、音声、ジェスチャ、ジョイスティックなどで操作
- 空間型インターフェース概念の提唱
1985年:NASAのM.McGreevy、S.Fisherらによる「Virtual Enviroment」の概念の提唱
- 宇宙船内の3次元空間をバーチャルディスプレイ環境として使用する
ロボット工学
1982年:機械研究所、テレイグジスタンス概念の提案
- マスタースレーズ型のロボット「TELESAR」の開発
1983年:米国海軍海洋システムセンターのJ.D.Hightower、テレプレゼンスロボット「Greenman」開発
まとめ
VRなんていう言葉・考えは割と最近のものなのかと思っていましたが、遡ってみるとかなり昔にそれらしいものは存在していたんですねー驚きです。
2016年はVR元年(これ毎年言ってる気がする)なんて呼ばれていましたが、十数年前にも似たような時期はあったんですね。